会社員の副業の始め方|確定申告・会社への申告・選び方で迷わないための基本

会社員の副業の始め方|確定申告・会社への申告・選び方で迷わないための基本

この記事について:男性専用の匿名掲示板OTOCOの編集部が、公開されている情報や読者の声をもとにまとめています。制度や金額などは執筆時点の情報です。最新の内容は各公式サイトでご確認ください。

この記事のポイント

  • 副業探しより先に、就業規則で「禁止・許可制・届出制」のどれかを確かめ、必要なら会社に相談する
  • 20万円ルールは「所得」で判断し、対象は所得税だけ。住民税の申告は別に必要になる
  • 副業は得意なことより、本業の疲れが残る平日の夜でも続けられる形で選ぶと長続きしやすい
  • 売上と経費の記録は初月から。税金の細かい扱いは国税庁・税務署・自治体で確認する

給料日の夜。アプリで残高を開いて、家賃とカードの引き落とし予定を頭の中で引き算する。思ったより残らない。来年も、たぶん同じくらいだ。

そのまま検索窓に「副業 会社員 始め方」と打ち込んだ人は、きっと少なくないはずです。昇給を待つより、自分で月に数万円つくれたら。その気持ちは、すごく健全だと思います。

ただ、副業は始め方を間違えると、本業での立場や税金の手続きで、あとから面倒が押し寄せてきます。この記事では、会社員が副業に手を出す前に確かめておきたいことと、続けられる副業の選び方を、編集部の本音も交えて書いていきます。

先に言っておくと、「会社にバレない方法」の話はしません。理由は後半で書きます。

最初に開くのは、求人サイトじゃなくて就業規則

副業を始めようと決めた瞬間、たいていの人はクラウドソーシングや求人のページを眺め始めます。気持ちは分かります。でも、その前に一度だけ、自分の会社の就業規則を開いてください。社内ポータルの奥のほうに眠っているあれです。

副業についての会社のスタンスは、ざっくり分けると次の三つのどれかです。

会社のスタンス よくある書かれ方 やること
禁止 「会社の許可なく他の業務に従事してはならない」など 原則は始めない。どうしても必要なら人事に相談
許可制 「事前に申請し、承認を得ること」 申請書を出して、承認を待ってから始める
届出制 「副業を行う場合は届け出ること」 内容・時間・取引先の業種などを届け出る

「許可制」と「届出制」は似ているようで、意味がかなり違います。許可制は会社がノーと言える。届出制は、基本的には知らせておけばいい。この差を読み違えたまま始めると、あとで「聞いていない」と言われかねません。

そしてもうひとつ。副業そのものはOKでも、同業他社の仕事や、会社の信用に関わる仕事は禁止されていることが多いです。営業職の人が、取引先と同じ業界の会社から仕事を受ける。これは本人に悪気がなくても、かなりグレーに見えます。

規則に何も書かれていない場合は、人事か上司に一言相談しておくのが無難です。口頭で済ませず、メールなど記録が残る形にしておくと、のちのち自分を守ってくれます。

文面は、かしこまりすぎなくて大丈夫です。

例:「業務時間外に、個人で文章作成の仕事を受けることを考えています。本業と同じ業界の案件は受けず、作業は平日夜と休日に週5時間程度の予定です。社内規程上、申請が必要であれば手続きを教えてください。」

何を、いつ、どのくらいやるのか。そして、本業と利害がぶつからないこと。ここさえ伝われば、相手も判断しやすくなります。

副業を始めるまでの4つの手順。就業規則の確認から記録用シートづくりまで
副業を始めるまでの4つの手順。就業規則の確認から記録用シートづくりまで

何をやるかは「得意」より「疲れていてもできるか」で選ぶ

副業の記事を読むと、「自分の強みを活かそう」とよく書かれています。間違ってはいません。ただ、個人的にはもうひとつ大事な基準があると思っています。

本業でぐったりした水曜の夜に、それをやれるかどうか。

副業がつまずく原因は、スキル不足より体力と時間の不足であることがほとんどです。週末にまとめてやるつもりが、土曜は寝て終わる。そういうものです。

種類 例 始めやすさ お金になるまで 向いている人
スキル提供型 ライティング、デザイン、プログラミング 中 実績がつけば単価が上がりやすい 本業や趣味で身につけた技術がある
時間提供型 アルバイト、配達、軽作業 高 働いた分がほぼそのまま収入に すぐに現金が必要、頭を使いたくない
販売型 ハンドメイド、不用品販売 中 売れ行き次第で波がある ものづくりや目利きが好き
発信型 ブログ、動画 高 収益化まで長くかかることが多い 成果が出なくても楽しんで続けられる

表だけ見ると発信型は手軽そうですが、半年たっても収入ゼロ、というのは珍しくありません。逆にアルバイトなどの時間提供型は、すぐお金になる代わりに、本業と合わせた労働時間が長くなりやすい。体を壊したら元も子もないので、睡眠を削る前提のプランはおすすめしません。

迷うなら、本業で毎日やっていることの「隣」を探すのが近道です。資料づくりが得意なら、スライド作成の代行。経理の人なら、小さなお店の記帳の手伝い。ゼロから学ぶより、圧倒的に初速が違います。

税金の話。「20万円ルール」は半分だけ正しい

副業と税金の話で、必ず出てくるのが「20万円以下なら確定申告はいらない」というフレーズです。これ、半分は合っていて、半分は誤解されています。

ここからは2024年時点の制度にもとづく一般的な説明です。個別の状況で扱いが変わるので、最終的には国税庁の案内や税務署、お住まいの自治体で確認してください。

判断に使うのは「売上」ではなく「所得」

税金の計算で見るのは、入ってきたお金そのものではなく、そこから仕事に必要な経費を引いた「所得」です。

例: ライティングの副業で、1年間の売上が32万円。仕事用に買ったソフトの利用料や資料代などの経費が14万円だった場合。

32万円 − 14万円 = 所得18万円

売上だけ見ると20万円を超えていますが、所得は18万円です。ただし、何が経費として認められるかは中身次第。私用と兼ねているものは按分が必要になることもあるので、自己判断で何でも経費に入れるのはやめておいたほうがいいです。

不要になるかもしれないのは「所得税の確定申告」だけ

年末調整を受けている会社員で、給与以外の所得の合計が年20万円以下なら、所得税の確定申告が不要になる場合があります。ここまでは有名な話です。

見落とされがちなのはその先です。

  • 所得税の申告が不要でも、住民税の申告は別に必要になる
  • 医療費控除などで確定申告をする年は、20万円以下の副業所得も含めて申告する
  • 副業がアルバイトなど給与の場合は、判定の条件が変わる

つまり「20万円以下なら何もしなくていい」ではありません。住民税の申告はお住まいの市区町村が窓口です。この一点だけでも覚えて帰ってもらえたら、この記事を書いた意味があります。

確定申告の期間は、原則として毎年2月中旬から3月中旬。国税庁の作成コーナーを使えば、マイナンバーカードなどで電子申告もできます。

会社に黙って始める、をすすめない理由

検索すると、住民税の仕組みを使って会社に知られないようにする、という話がたくさん出てきます。この記事でそのやり方を書かないのは、きれいごとを言いたいからではありません。単純に、割に合わないからです。

副業のことは、税金以外のルートからもふつうに伝わります。飲み会でのぽろっとした一言、SNS、取引先の知り合い。どれだけ手続きを工夫しても、人の口には戸を立てられません。

そして、規則違反の状態でそれが分かったとき、失うものは副業の収入よりずっと大きい。懲戒の対象になる可能性もあるし、それ以上に、上司からの信頼が目減りします。月3万円のために、毎日8時間いる場所の居心地を賭けるのは、どう考えても分の悪い勝負です。

反対に、届け出を済ませている副業は堂々と続けられます。確定申告の時期にびくびくする必要もない。精神的な余裕は、続けるうえで想像以上に効いてきます。

最初の3か月で、つまずきやすいところ

副業は、始めた直後よりも2〜3か月目あたりで失速しがちです。よくあるパターンを挙げておきます。

ひとつは、時間の上限を決めていないケース。最初はやる気があるので、深夜まで作業してしまう。それが2週間続くと、本業で集中力が落ちてくる。「平日は1日1時間まで」「日曜は副業をしない」など、先に線を引いておくと、走りすぎを防げます。

もうひとつは、記録を後回しにするケース。売上と経費のメモを年末にまとめてやろうとすると、レシートは消え、明細はどこにあるか分からなくなります。スプレッドシートに日付・内容・金額を書くだけで十分なので、初月から習慣にしてください。副業用の口座を分けると、お金の流れが一気に見やすくなります。

最後に、契約の確認。業務委託で仕事を受けるなら、報酬・納期・修正の回数・支払日は、必ず文字で残しておきます。口約束で進めて、納品後に「修正があと5回ほど」と言われる。これ、本当によくある話です。

それから、言うまでもないかもしれませんが、会社のパソコンや顧客情報、勤務時間を副業に使うのは絶対にNGです。ここは信用に直結します。

副業を続けるためのチェックリスト。時間の上限、記録、契約、税金の手続きを確かめる
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目標は月3万円くらい。それで十分、景色は変わる

副業の話になると、どうしても「月10万」「脱サラ」のような大きな数字が目に入ります。でも、最初の目標はもっと小さくていい。個人的には、月3万円くらいを目安にするのがちょうどいいと思っています。

月3万円あれば、毎月の固定費のどれかひとつが丸ごと浮く計算になります。給料日に残高を見たときの、あのため息の深さが少し変わる。それに、自分の名前で仕事を受けてお金をもらう経験は、金額以上に自信をくれます。本業で評価されないとき、外にもうひとつ足場があるのは心強いものです。

就業規則を開く、会社に相談する、記録用のシートをひとつ作る。今週できるのはそのくらいで、それで十分です。

副業のリアルな悩み、たとえば「届け出たら上司の反応が微妙だった」みたいな話は、なかなか職場では話せません。男性専用の匿名掲示板 OTOCO には、同じように会社員をしながら副業に挑戦している人の声も集まっています。のぞいてみると、意外とみんな同じところでつまずいていて、少し安心できるかもしれません。

よくある質問

Q副業の収入が20万円以下なら、何も申告しなくていいですか?
A

そうとは限りません。年末調整を受けている会社員で、給与以外の所得が年20万円以下なら所得税の確定申告が不要になる場合がありますが、住民税の申告は別に必要です。判定は収入ではなく、経費を引いた所得で行います。

Q副業がアルバイト(給与)の場合も同じ扱いですか?
A

2か所以上から給与を受け取る場合は、判定の条件が変わります。副業先の給与の額などによって確定申告が必要になることがあるので、国税庁の案内や税務署で確認してください。

Q医療費控除で確定申告をする年は、副業の所得はどうなりますか?
A

確定申告をする場合は、20万円以下の副業所得も含めて申告する必要があります。ふるさと納税などで申告する年も同じなので、申告のついでに副業分を書き忘れないよう気をつけてください。

Q就業規則に副業のことが書かれていない場合は?
A

書かれていないから自由、と判断するのは少し危ういです。人事や上司に「こういう副業を考えている」と一度相談しておくと、あとで説明を求められたときも落ち着いて対応できます。

Q公務員でも副業はできますか?
A

公務員は法律で兼業が制限されていて、許可なく営利目的の副業をすることは原則できません。例外的に認められるケースもあるので、所属先の規定と手続きを必ず確認してください。

この記事を書いた人

OTOCO編集部

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