気分の落ち込みが続く男性へ|自分でできるケアと相談・受診の目安

気分の落ち込みが続く男性へ|自分でできるケアと相談・受診の目安

この記事について:男性専用の匿名掲示板OTOCOの編集部が、公開されている情報や読者の声をもとにまとめています。制度や金額などは執筆時点の情報です。最新の内容は各公式サイトでご確認ください。

この記事のポイント

  • 気分の落ち込みは「気合いが足りない」せいではない。まずは自分を責めるのをやめるところから
  • 睡眠・食事・体を動かすこと・人と話すこと。セルフケアは小さく、できる日にできる分だけで十分
  • 落ち込みや興味がわかない状態、睡眠や食欲の変化が2週間ほど続く、または仕事や生活に支障が出ているなら、心療内科・精神科や産業医への相談を考える
  • 自分を傷つけてしまいそうなとき、危険を感じるときは、迷わず119番・110番などの緊急連絡先へ

日曜の夜、十時過ぎ。テレビはついているのに、内容がまったく頭に入ってこない。明日の会議の資料のことを考えると、胸のあたりが重くなる。べつに大きな失敗をしたわけでもないし、誰かにひどいことを言われたわけでもない。なのに、なんだかずっと晴れない。そういえば、最後に「楽しいな」と思ったのはいつだったか。

この文章を開いた人の中には、そんな日々が少し長く続いている人もいると思います。

男性は、こういう状態を「疲れてるだけ」「気合いが足りない」で片づけがちです。週末に寝れば戻る、仕事が落ち着けば戻る。実際、それで戻ることもあります。ただ、戻らないまま何週間も過ぎていくこともある。

ここでは、気分の落ち込みが続いているときに自分でできるケアと、「ここから先は人や専門家を頼っていい」という目安を、できるだけ具体的に書いていきます。診断をするための記事ではありません。いま自分がどのあたりにいるのかを確かめるための、地図のようなものだと思って読んでください。

「ちょっと疲れてるだけ」と言い聞かせていないか

最初に、自分を責める気持ちについて少しだけ。

気分の落ち込みは、性格の弱さや根性のなさとは別の話です。仕事の負荷、人間関係、睡眠不足、季節や環境の変化。いろいろなものが少しずつ積み重なって、ある日、心の容量を超える。コップに水を注ぎ続けると、最後の一滴であふれるのと似ています。あふれた原因は最後の一滴ではなく、それまでに溜まっていた分です。

だから「こんなことで落ち込むなんて情けない」と思う必要はありません。落ち込んでいるのは、それだけ長いあいだ踏ん張ってきたからかもしれない。 個人的には、まずそう考えてみることから始めてほしいと思っています。

一方で、気をつけたいのは「大丈夫」と言い聞かせ続けることです。男性は周りに弱っている姿を見せない分、自分自身にも見せないようにしてしまう。気づいたときには、朝起き上がるのがやっとの状態になっていた、という話は珍しくありません。

自分の状態を知る手がかりとして、次のようなサインに心当たりがないか、一度ゆっくり振り返ってみてください。

2週間ほど続いていたら相談のサイン。気分・興味・睡眠・食欲・疲れ・仕事への影響の6項目
2週間ほど続いていたら相談のサイン。気分・興味・睡眠・食欲・疲れ・仕事への影響の6項目

当てはまるものがあっても、すぐに何かの病気だということではありません。ただ、こうした状態が2週間ほど続いている、あるいは期間は短くても仕事や生活に支障が出ているなら、それは「少し休めば戻る」の範囲を超えているサインかもしれない。その目安は、頭の片隅に置いておいてください。

自分でできるケアは「小さく、できる分だけ」

落ち込んでいるときにセルフケアの話をされても、正直しんどいと思います。「運動しろ」「生活リズムを整えろ」と言われても、それができないから困っている。わかります。

なので、ここで書くのはどれも「できる日に、できる分だけ」でいいものです。全部やろうとしなくていい。一つでもできたら、その日は合格です。

眠ることを、いちばん優先にする

心と睡眠は、思っている以上につながっています。眠れないと気分が沈み、気分が沈むとまた眠れなくなる。この悪循環に入りかけていると感じたら、まず睡眠を守るところから手をつけるのが近道だと思います。

具体的には、寝る時間よりも起きる時間をそろえるほうが続けやすいです。休日も、平日と同じくらいの時間にいったん起きて、カーテンを開ける。昼寝をするなら短めに。寝る前の一時間はスマホを手元から離して、仕事のメールは見ない。これだけでも、少し違ってくることがあります。

寝つけないからといって、お酒に頼るのはおすすめしません。一時的に眠くなっても、夜中に目が覚めやすくなったり、翌朝の気分がかえって重くなったりすることがあります。

食べること、少し体を動かすこと

食欲がないときは、ちゃんとした食事を作ろうとしなくて大丈夫です。コンビニのおにぎりとみそ汁でもいい。とにかく、何も食べずに一日を過ごすのは避けたいところです。

体を動かすのも、ジムに通うような話ではありません。一駅分だけ歩く、昼休みに外の空気を吸いに出る、ベランダで五分ぼんやりする。日の光を浴びて体を少し動かすだけで、頭の中のぐるぐるがいったん止まることがあります。

頭の中を、外に出してみる

考えごとが止まらないときは、紙やスマホのメモに書き出してみてください。きれいな文章にする必要はなく、「部長の言い方がしんどい」「金曜の締め切りが怖い」と単語の羅列でも構いません。頭の中だけで回していた不安は、文字にすると意外と輪郭がはっきりします。何が一番しんどいのかが見えると、それだけで少し楽になることもある。

ついでに、その日できたことをひとつだけ書き足しておくのもおすすめです。「朝ごはんを食べた」「定時で帰れた」くらいの小さなことでいい。落ち込んでいるときは、できなかったことばかりが目に入ります。できたことを意識して拾っておくと、自分への見方が少しだけやわらぎます。

働きながら、心の余白をつくる

落ち込みの原因が仕事にある人も多いと思います。ただ、すぐに辞めたり休んだりできる人ばかりではない。だからこそ、働きながらでもできる小さな調整を知っておくと役に立ちます。

たとえば、仕事を全部「今日やるべきこと」として抱えないこと。今日中に必要なもの、今週中でいいもの、誰かに頼めるもの。この三つに分けるだけでも、肩にのっている荷物が少し軽くなります。

それから、仕事終わりに「仕事のことを考えない時間」を意識してつくること。帰りの電車で仕事のチャットを開かない、家に着いたら通知を切る。境目がないと、心は休んでいるつもりでもずっと会社にいる状態になります。

もうひとつ、会社に産業医や相談窓口があるなら、その存在を思い出してみてください。産業医は会社の中にいますが、働く人の健康を守る立場の医師です。上司に直接言いにくいことでも、産業医を通すことで業務量の調整や休み方について相談できる場合があります。相談内容がどこまで共有されるのか気になるなら、最初にそれを確認してから話せばいい。

相談先と、受診を考える目安

ここからは、人や専門家を頼るときの話です。「病院に行くほどじゃない」と感じる人も多いと思うので、状態ごとの目安を表にしておきます。あくまで目安なので、迷ったら一段階上の相談先を選ぶくらいの気持ちで見てください。

いまの状態 考えたい相談先 ひとこと
落ち込む日はあるが、生活は回っている 身近な人、匿名の場、セルフケア 話すだけで整理がつくこともある
気分の落ち込みや興味がわかない状態が2週間ほど続いている 心療内科・精神科、産業医 早めの相談で選べる手が増える
睡眠や食欲の変化が続いている 心療内科・精神科 体のサインは見過ごさない
仕事や生活に支障が出ている(遅刻・欠勤・家事ができない等) 心療内科・精神科、産業医 期間が短くても相談してよい
どこに相談すればいいか分からない 自治体の相談窓口、精神保健福祉センター まず話を聞いてもらえる

医療機関については、心療内科でも精神科でも、心の不調について相談できます。初めての受診は緊張するものですが、電話で「気分の落ち込みが続いていて相談したい」と伝えれば、それで十分に話は通じます。風邪で内科に行くのと同じように、心の不調で専門の医療機関に行くのは、ごく普通のことです。

病院に行く前にまず誰かに話を聞いてほしい、という人には公的な窓口もあります。お住まいの市区町村や都道府県には、心の健康に関する相談窓口が設けられていることが多いです。各都道府県などにある精神保健福祉センターでも相談を受け付けています。厚生労働省も、電話やSNSで相談できる窓口をまとめて紹介しているので、どこに連絡すればいいか迷ったら、そこから探してみてください。受付時間や連絡先は変わることがあるので、最新の情報は各窓口や自治体の案内で確認するのが確実です。

頼るのは、弱さではなく段取りのひとつ

ここまで読んで、それでも「人に頼るのは気が引ける」と感じている人もいると思います。その感覚も、よくわかります。

ただ、仕事で行き詰まったときに詳しい人に聞くのは、べつに恥ずかしいことではないはずです。むしろ、ひとりで抱えて締め切りを過ぎるほうが困る。心のことも、それと同じだと僕は考えています。頼る相手を選んで、段取りよく助けを借りる。それは立派な対処のひとつです。

しんどいときの頼り先の順番。言葉にする、身近な人、相談窓口・産業医、医療機関の4段階
しんどいときの頼り先の順番。言葉にする、身近な人、相談窓口・産業医、医療機関の4段階

この順番は、あくまで一例です。いきなり医療機関に行っても構わないし、状態によってはそのほうがいい場合もある。大切なのは、どこか一か所で止まらずに、必要なら次の段階に進めると知っておくことです。

身近な人に話すときは、最初に「アドバイスはいらないから、ちょっと聞いてほしい」と伝えておくと、お互いに気が楽になります。

例:「最近ずっと気分が晴れなくてさ。何か言ってほしいわけじゃないんだけど、少し話を聞いてもらってもいい?」

答えが返ってこなくてもいい。誰かが聞いてくれたというだけで、ひとりで抱えていたものが少しだけ外に出ていきます。

今日は、ひとつだけでいい

全部をいっぺんに変える必要はありません。今夜は早めにスマホを置いて寝てみる。明日の昼休みに少し外を歩いてみる。あるいは、気になっていた相談窓口を調べてブックマークしておく。そのくらいで十分です。

落ち込みが長く続いているなら、それはあなたが弱いからではなく、少し休んで誰かを頼るタイミングが来ているということだと思います。医療機関や相談窓口は、そのためにあります。

専門家に話す前の、気持ちの置き場所が欲しいときは、男性専用の匿名掲示板 OTOCO をのぞいてみるのもひとつです。ただし、つらさが続くときは、掲示板だけで抱え込まずに専門家にも頼ってください。

よくある質問

Q気分の落ち込みが何日くらい続いたら病院に行くべきですか?
A

ひとつの目安として、気分の落ち込みや何にも興味がわかない状態、眠れない・食欲がないといった変化が2週間ほど続いているなら、心療内科や精神科に相談することを考えてみてください。期間が短くても、仕事や生活に支障が出ているなら早めに相談して構いません。

Q心療内科と精神科、どちらに行けばいいですか?
A

どちらでも心の不調について相談できます。迷ったら、通いやすい場所にある医療機関に電話で「気分の落ち込みが続いていて相談したい」と伝えてみると、受診先として合っているか案内してもらえることが多いです。

Q会社の産業医に相談したら、上司や人事に伝わりませんか?
A

産業医には守秘義務があり、本人の同意なく相談内容をそのまま会社に伝えることは基本的にありません。ただし運用は会社によって異なるので、不安なら相談の最初に「この話はどこまで共有されますか」と確認しておくと安心です。

Q病院に行くほどではない気がします。どこに相談すればいいですか?
A

お住まいの自治体の相談窓口や、各都道府県などにある精神保健福祉センターでは、心の健康についての相談を受け付けています。厚生労働省も電話やSNSで相談できる窓口を紹介しているので、そこから探す方法もあります。

Q匿名掲示板で気持ちを吐き出すのは意味がありますか?
A

言葉にすることで気持ちが整理されたり、同じ経験をした人の声に救われたりすることはあります。ただ、掲示板の意見は医療の代わりにはなりません。不調が続くときは、医療機関や公的な相談窓口もあわせて頼ってください。

この記事を書いた人

OTOCO編集部

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